大腸肛門科

大腸肛門科

Colorectal

痔と間違えやすい病気

大腸癌

大腸イメージ

痔に最も間違えやすい病気は大腸がんです。症状は便に血が混じる、便秘と下痢を繰り返す、残便感があるなど痔の症状によく似ています。

痔が原因でがんになることはほとんどありませんが、「いつもの痔」と安心していると、その間に大腸がんを進行させてしまうケースが増えています。

平成12年に厚生労働省が実施した「人口動態統計」によると、臓器別がんの死亡数の割合は、大腸がんが全体の12.2%で肺がん、胃がんに次いで多い。男女別にみると、男性の場合は11.1%、女性の場合は13.8%となっています。

「いつもの痔」と感じている方には、早めの受診と大腸がんの定期的な検診が重要です。

なぜ大腸がんが増えてきたのでしょう。
大腸がんが増えてきた理由として、高タンパク・高脂肪・低食物繊維という欧米型の食事メニューが増えてきたためと考えられています。

大腸がんの中でも直腸にできるがんが4~5割を占め、次いでS状結腸がんが3割。大腸がんになるのは男性のほうが女性よりも多く、年齢的に60歳前後がピークですが、最近は40~50歳代にも多くなってきています。

最初は「髪に血が付いた」「血便が出た」などの症状がみられます。
また、直腸癌では、トイレに行っても便が少ししか出ず、しばらくするとまた便意を催すという症状が特徴的にみられます。

痔と決定的に異なるのは、痔は出血量が多いが、大腸がんでは便に血がついたり、混じる程度。「怪しい」と思ったら、迷わず専門クリニックで検査をしましょう。

当院では、大腸内視鏡検査をはじめとする各種検査を行っています。

大腸内視鏡検査について

痔とよく似た大腸癌以外の病気

肛門ポリープ

歯状線部分の肛門上皮が拡大したイボを肛門ポリープと呼んでいます。肛門ポリープはほとんどの場合良性で、肛門にできた炎症性のポリープです。

排便の後、おしりからコリコリしたイボが肛門外に脱出するようなら肛門ポリープが考えられます。また、裂肛が合併して発生することも多く見受けられますが、ポリープを根治するには切除しかありません。

潰瘍性大腸炎

ストレスや免疫機能の異常によって大腸の粘膜に潰瘍やただれができる病気。症状は腹痛や血の混じった下痢などで、直腸がんと似ています。男性では20歳代前半、女性では20歳代後半と若年層の発症が多いのも特徴です。

クローン病

口から肛門までの消化管に、潰瘍ができたり線維化した粘膜の隆起ができる原因不明の病気。おもな症状は腹痛や下痢、発熱などで20~30歳代での発症が多い。

虚血性大腸炎

突然、左腹部痛がおこり、しばらくして下痢そして下血が起こる急激な発症の病気です。
中高年の女性に多く、ストレスや動脈硬化で下行結腸の血流が悪くなっておこると思われます。通常は一週間ほどの内科的治療で回復します。

大腸憩室症

近年大腸壁が弱くなって粘膜が腸管外へ袋状に脱出する憩室という病気がありふれたものとなってきました。腹痛下痢、便秘が主症状で、時に静かに下血を生じることがあります。
ストレスで大腸が強く収縮して、大腸内の内圧が高まることが原因と思われています。中高年に多くなってきました。

肛門周囲炎、肛門掻痒症

痔に伴って肛門にかゆみが出ることがありますが、これを肛門周囲炎といいます。かゆみが非常に強く、我慢できないこともあります。又、痔がない人にもおこります。

炎症の原因が真菌(白癬菌やカンジタ)であることもあり、治療法も異なりますので、医師の診察が必要です。肛門掻痒症は、肛門に炎症がないのに、強いかゆみが出る病気で、色々な原因が考えられますので、医師の診察が必要です。

尖圭コンジローマ

肛門周囲にウイルスが感染し多発性に生じるイボの事です。性交による感染もありますので性器に生じることもあります。
最初は小さな白っぽいイボが多発しますが、これが大きくなるとカリフラワー状になり悪性化し大腸癌となる可能性があります。
痛みなどの症状はほとんどありませんが、通常は麻酔をかけてからイボを取り除きます。

スキンタッグ

肛門出口の部分で皮膚がたるんで、肛門から出ているように見える物をスキンタッグを呼んでいます。
スキンタッグ自体は、『見栄えが悪い』という以上には症状はありません。ただ、肛門のまわりが凸凹だと、排便後に便が残り、肛門周囲湿疹の原因となります。

大腸ポリープ

歯状線より奥の、直腸や結腸の粘膜かから発生するコブのようなものをポリープと呼びます。
小さい物は良性ポリープが大半ですが、大きくなると悪性化し大腸癌となる可能性がありますのでポリープ切除をした方が良いと考えられています。奥の方にあるポリープは内視鏡で、肛門近くのものは肛門から直接切除します。また切除には痛みを伴いません。
良性ポリープは勿論のこと、癌化していても癌が粘膜面にとどまっていれば、完全に切除することが期待できます。

直腸脱

直腸脱とは、肛門から直腸が脱出する状態のことです。
痛みはありませんが、下着が粘液や血液で汚れるのが特徴的です。また、高齢者に多くみられ、高齢者の増加とともに近年非常に増加しました。女性の方が多く、子宮脱を合併することもあります。
痔核の脱出(脱肛)と混同されがちですが、直腸脱の場合には、痔静脈叢が膨らんでいないことが特徴的です。

直腸癌

排便時の出血が特長ですが、便にすじ状に血液が付着したり、排便回数が増えたりすることがあります。
痛みを伴うことは少なく内痔核の出血であると思っていて、その奥に直腸癌が潜んでいたということもあります。定期的な検査をお勧めします。